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パパみたいになれない ミュージカル「エリザベート」感想

私が初めてエリザベートを観たのは2018年の宝塚月組公演で、大好きな愛希れいかさんの退団公演でもあった。あの日エリザベートの世界に一目で魅了された私は、同時に愛希さんの強くて美しくてどこまでも孤独なシシィに強く胸を打たれ、愛希さんが退団後の新たなスタートをこの作品で切るのだと知った時はそれはもう震えるほど嬉しかった。

 

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エリザベートで一番好きな楽曲を聞かれたら、少し悩んで「パパみたいに」と答えると思う。

曲自体の良さは勿論だけど、なんと言ってもこの曲を歌う愛希さんが素晴らしいんだよ〜〜〜!!(大声)

エリザベートペーペーの私にはシシィを深く理解することは難しいけれど、この曲を聞くと色んなことを納得出来るというか、彼女の中に揺るぎなくあるものがメロディーに乗って胸にストンと落ちてくるような不思議な感覚を覚える。それはこの曲本来の力もあるだろうけど、私は愛希さんの表現力によるところが大きいと思っていて。

この曲を歌う愛希さんは、純粋で無邪気でそれはもうとびっっきり可愛い少女なのです。パパを見つけた時の笑顔や光を反射して輝くきらきらの瞳。シシィは本当にパパが大好きで、それと同時に計り知れない程の憧憬の念を抱いているんだということがその表情から痛いほど伝わってくる。

「パパみたいに生きたい」と歌う幼いシシィはきっと自分もそうなれると信じている。馬に乗って、世界中旅して、思うがままに生きていけると信じている。だから私もその溌剌として伸びやかな歌声を聞きながら、彼女の未来がどうか自由で希望に満ちたものでありますようにと願わずにはいられない。そして同時に未来の彼女が「パパみたいになれない」と歌うような人生を歩むことを知っているからこそ、この曲が始まった瞬間ボロボロに泣いてしまうのだ。愛希さんの表現力があってこそ、私はこの曲を通してシシィという人に心を寄せて、その壮大な人生に想いを馳せることができるんだなあ。

 

あと泣いてしまうといえば、鏡の間でのシシィの登場場面。月組エリザベートを観た時もそうだったけど、あの瞬間ほぼ条件反射のように私の目からは次々と涙が溢れてくる。終わってから、あの涙は自分のどういう感情を表した涙なんだろうと考えてみた。感動、と言ってしまえばそれに尽きるんだけど、それが何に対する感動なのかと考えて、出た結論は愛希さんの放つ圧倒的美しさについての感動だった。あの涙は例えるなら人が雄大な景色を見た時、あるいは美しい絵画を見た時に自然に流してしまう涙と同じ種類のそれだと思う。学生時代友人とグランドキャニオンの初日の出を見に行ったことがある。あまりの寒さに震えながらも感動して泣いたことを思い出して、これはあの時と同じ涙だ…!とハッとした。(大真面目に言っています)

愛希さんは、あの瞬間のシシィの自信や覚悟をシシィ最大の武器である「美しさ」で表現する。その姿は潔くて高貴で格好いい。あぁ…やっぱり愛希さんのシシィが大好きだなあ…と思ったらもうダメで、次の瞬間には視界がぼやけて盛大に泣いてしまう。あの場面の愛希さんは確実に「人間の涙腺に訴える美しさ」を放っているのである。

 

長々と書いたけど、一言でまとめると愛希れいかさんが素晴らしかった!!ということで、好きが溢れて堪らなくなってしまったのでこれを機にブログ始めました。本当は各キャストさんの感想とか宝塚版(というか月組エリザ)と比べての印象の違いとか色々書きたかったけど力尽きたのでこの辺で。気が向いたらその辺もまた書きたいな。気が向いたら。